あさぶろ日記

note のほうに書いている記事を保管しているだけです。

「ラピュタ」のサントラを聴いて思い出したW先輩との喧嘩別れの話(前編)。

先日、近所の図書館に行った。

私は、図書館が好きだ。ただ、本は好きなのだけれど、もっぱら購入する派だ。そして電子ではなく紙派だ。本は、図書館ではあまり借りることはない。

では、私が図書館で借りるものは何か。
それはもっぱら、音楽CDなのである。

私が図書館でなぜ音楽CDを借りるかについては、こちらの記事に書いたので割愛する。

この日のラインナップは以下の通りだ。

誰も興味がない情報だと思うが、一つ一つ解説していこう。

宇多田ヒカル

宇多田ヒカルは普通に好きなのだ。発作的というか衝動的に「Goodbye Happiness」がどうしても聴きたくなったので借りた。不安げな、それでいて前に進もうという強い芯のある思いが感じられるようなメロディラインと歌詞で、すごく好きな曲だ。他にも好きな曲はたくさんあるが、長くなるので省略。

せっかくなのでリンクも貼らせていただく。

宇多田ヒカル - Goodbye Happiness
https://www.youtube.com/watch?v=rUhhPZtYl7Y

MVの宇多田ヒカルが可愛い。宇多田ヒカルの、この曲とは別の色んなMVのオマージュみたいなのも結構やっている。他の曲を知っていると、観ていて純粋に楽しい。

ドライブ

ドライブ用(?)のは「Best Drivin' Music」というタイトルのものだ。アルバムタイトルやパッケージ写真から判断するに、クルマでドライブするときにピッタリな、ポップでアップテンポな楽曲が揃っているということなのだろう。

どの曲も素敵だったが、私がお気に入りなのは、有名なところで、Culture Clubの「Karma Chameleon(カーマは気まぐれ)」と、Vanessa Carltonの「A Thousand Miles」だ。ドライブとか関係なく、好きだ。

あと、Maroon 5の「Sunday Morning」も入っていたが、タイトルそのままで、日曜の朝感がすごい爽やかで良い。でも歌詞をよく読むと、実は、歌詞の世界で歌われている天気は雨なのね。そもそも Maroon 5 が大好きだ。Maroon 5 だと「Closure」が一番好きだが、話があまりに脱線しすぎるのでこの辺でやめておく。

こちらも、リンクを貼っておこう。

Culture Club - Karma Chameleon
https://www.youtube.com/watch?v=JmcA9LIIXWw

とある芸人さんがジョージボーイのマネをしていたのを見て、改めて聴きなおしてみたら本当にサビでも小声で驚いた。というか感心した。てっきりサビは声張るもんだと勝手に認識してた自分を恥じた。

Vanessa Carlton - A Thousand Miles
https://www.youtube.com/watch?v=Cwkej79U3ek

ピアノの音色がとても綺麗。
実は、この曲は個人的にすごく思い入れがあって。

高校時代、私は周りと全く溶け込むことができなかったのだけど、唯一、心を許せる友人が居た。話をしているうちに、私も彼も音楽が好きということが分かって、ある日、彼が自作のMD(時代が出ますね・・)を貸してくれた。彼が選んだ様々なジャンルの曲目の、一番最後に収録されていたのが、このVanessa Carlton の「A Thousand Miles」だった。

初めて聴いたときは、すごく爽やかな気分になったのを覚えている。こんなに退屈でつまらない学校生活だったのに、音楽は私を、こんな晴れやかな気持ちにしてくれるんだと。当時、本当に友達が居なくて孤独な時間を毎日過ごしていたんだけれど、彼から貰ったMDに入っていた「A Thousand Miles」を聴いて、いつも元気を出していた。結局、1年間だけ一緒のクラスだっただけで、私と彼は別々のクラスになってしまったのだけれど。

だから、今でもこの曲を聴くと、真っ暗な高校時代の中で見つけた唯一の明るい光というか、そういう透き通ったような思い出がよみがえる。

クリスマス

クリスマスのやつは、我が家では夜寝るときに、オルゴールとかハープとか静かめのクラシック音楽をかけているのだけれど、そろそろクリスマスも近づいてきたので取り入れてみた。今風に言うと「チル」って感じなのだろうか。違うか。

とにかく、静かな音楽をかけると、子供たちの寝つきのスピードがめちゃくちゃ速いので、こういうリラックス系の音楽は我が家ではすごく重宝している。

加山雄三

加山雄三については、申し訳ないが、完全に興味本位というか好奇心だ。世代ではないし、ファンというわけでもないが、ちょっと聴きたくなってしまった。「君といつまでも」と「お嫁においで」は普通に知っている。「夜空の星」と「蒼い星くず」あたりも耳に残っている。

この方の歌い方は、とても壮大で、おおらかで、広い海を漂っているような感じがして、何とも心地良い。

ラピュタ

そして最後。言わずと知れたジブリ映画の名作「天空の城ラピュタ」のサウンドトラックだ。

もともと、私はサントラが大好きで。思い入れのある映画とかテレビドラマとか、ゲームとか、そういう作品のサントラを好んで聴いている。ラピュタも(というかジブリ映画全般良いのだけれど)、劇中のBGMが好きなので、サントラは大好物だ。

実は、ラピュタのサントラは、CDの現物を所有していたのだけれど、どこかのタイミングで売ったかで手放してしまった。なので、久々に聴こうと思って借りた次第だ。

本題

さて、やっと本題に入る。

ラピュタのサントラ。

直近でそれを最後に聴いていたのは、たしか大学時代のことだったと思う。当時、私はとあるスポーツ系のサークルに所属していて、学生生活の中心はそこでのコミュニティのメンバー同士との交流になっていた。

そこまで規模の大きいサークルというわけでもなかったので、所属メンバー数も多くなかった。同じ学年のメンバーは学部もみんなバラバラ。クラスメイトは居なかった。にもかかわらず、そのなかでも妙に気の合う仲間はできて、夜な夜な誰かの下宿先に集まって男ばかりで酒を飲み、夜を明かしていたものだった。悲しいことに、この頃は浮いた話はまるで無かった。

で、そのサークルでは、基本的にユルイ雰囲気だったので、先輩後輩の上下関係もそこまで厳しくなかった。中でも、私は一学年上の男の先輩と仲良くしていて、よく連れ立って遊んでいたりした。

それが、タイトルにあるW(仮名)先輩だ。

偶然ながら、W先輩は、私と学部も学科も専攻も同じだった。そして、私が関東の片田舎から誰も知り合いのいない関西地方に来たのと同じように、W先輩も関西とは別の地方から進学でやってきていた。だから、勉強のことでも共通の話題があったし、同郷ではなかったけれど、なんとなく親近感もあったのだ。

しかし、あまり悪くいうつもりはないのだが、彼は、事実として結構、なかなか人間性に特殊なところがあった。遠回りな言い方をした。はっきり言うと、なかなかのクズだったのだ。

平気で人を馬鹿にするし、軽めの暴力なら日常茶飯事だったし、一番ドン引きしたのは、道端で拾った財布からお札だけを抜き出して、空っぽになった財布を茂みに放り投げていた。そういう人だった。人間性に問題ありに見えた。

ただ、普通に接する分には面白い人だったし、リーダーシップというか持ち前の強引な性格で、物事をズバズバ決めるような豪快で頼りになる部分もあった。

ある日、私もW先輩も、講義の間の空き時間が被り、手持ち無沙汰な時間を過ごしていた。私が通っていた大学のキャンパス構内には、大学院棟もあったのだが、先輩は突然「そこに行こう」と言い出した。

大学院の棟内は物静かで、外の騒がしい学生たちの声もほとんど届かないほどだった。おまけに薄暗い。

教室の外に並べられたソファに腰を掛けて、我々は会話を始めた。

「へえ、こんな静かなところもあるんですね」

「だろ?俺のお気に入りなんだよ。
 静かだし暗いから、昼寝にピッタリ」

そう言って先輩は、大きめなソファに寝転び始めた。

「なあ、俺さ、ちょっと仮眠取るんだけど、
 なんか音楽聴くもの持ってない?」

またもや時代を感じるツールで恐縮だが、当時私はウォークマンで音楽を聴くのが好きで、気に入ったCDをウォークマンに入れて聴いていた。

これは共感してもらえるか微妙だが、自分のお気に入りの楽曲を集めたプレイリストとかを、他人に見られるのは何となく恥ずかしい。いや、恥ずかしいというか、「こんなん聴いてんだ」と思われたらどうしようという、ちょっとソワソワしたような気持ちだ。初めて一緒にカラオケに行った友達に、自分の声を聴かせるのと近いかもしれない。そんな気恥ずかしさ。いや違うか。

とにかく、それは、当時のウォークマンも同じだった。それを貸そうものなら、きっと口の悪いW先輩だから、「うわー、なんじゃこりゃ。変なの聴いてんなお前」と言われるであろうことは、想像に難くなかった。

普段から私は、あまりジャンルを決めずに、ゲームや映画のサントラ、マイナーなビジュアル系バンド、バッハの名曲アルバム、フレンチポップ、超メジャーなJ-POP、雅楽とか、もうゴチャゴチャにしてプレイリストに入れていたので、余計にそう思った。

でも「まあいいか、いじられているのは慣れてるから」と半ば諦めて先輩にウォークマンを手渡した。

するとW先輩は、ウォークマンを手に取り、収録されたアルバムを物色しながら、徐にこんなことを言った。

「あっ、ラピュタのサントラがあるじゃん。
 俺これ好きなんだよなあ。ジブリで一番好き」

あの、口が悪くて極悪非道だと思っていた彼が、ジブリなんて観てるんだ、と私は軽く衝撃を受けた。と同時に、なんだか自分の音楽の趣味を、初めて他人に受け入れてもらえたようで、嬉しかった。

しかし、この先輩とは、のちに、決定的な事件をきっかけに一気に疎遠になってしまうことになる。それがタイトルにある「喧嘩別れ」のことだ。

どんな事件か。

・・・本当はその話まで書き切りたいのだが、ちょっとまだ長くなりそうだ。書きたいことがありすぎて、この記事のさらに倍のボリュームになってしまうかもしれない。

そのため、ブッツリ切った形になって恐縮だが、今回はこの辺にさせてもらって、この続きは別の記事に機会を譲ろうと思う。

一話完結にしたかったんだけどなあ。次回、憶えていれば後編書きます。