あさぶろ日記

note のほうに書いている記事を保管しているだけです。

共働きと夏休みの話。

普段はあまり書かないような時間帯に、こうして記事を書いてみている。その理由は、何となく眠れなくなってしまったからだ。

遡ること、1〜2時間ほど前、家族4人で寝室のベッドで横になって「さあ眠ろう」としている時に、息子はこんなことを言った。

「夏休みなんて要らない。ゴミ箱に捨てたい」

息子は小学2年で、現在学校は夏休み期間中だ。

ただ、私も妻もフルタイムで働くいわゆる共働きのため、息子は学童保育に通って、1日を過ごしている。

私自身は母が専業主婦だったので学童保育の経験は無いが、妻は両親が共働きだったので学童保育に通っていたらしい。妻は通っていた学童保育が楽しくなかったようで「早く(学童を)辞めたいと思っていた」とのことだった。

しかし、息子に話を聞く限り、彼は案外、社交的で交友関係も広いようで、クラスとか学年を超えて、様々な友人を作れる機会として学童保育を楽しんでいるように見えた。

「楽しんで過ごしてくれるなら良かった」と親としては思っていたのだけれど、ふとした時に、こうして彼は不満を吐露する。

「夏休みなのに、どこにも遊びに行かない。

土日は遊ぶかもしれないけど、普通の毎日は学童でずっと過ごすから、夏休みって感じがしない。

こんな夏休みならゴミ箱に捨てたいくらい。

夏休みなんて、要らないよ」

その通りだ。我が家は共働きだし、なおかつ私の勤める会社は、極端に休みが少ない。だから、夏休みらしい夏休みを取ることもできない。取れても1日2日くらいだ。まず制度として夏季休暇というものが無い。息子の指摘は至極真っ当で、私は何とも言えなかった。


そもそも、どうして共働きをしているのだろう。あまりに当たり前すぎて考えたこともなかった。

私と妻は元々は同じ会社に勤めていて、割と専門的というかそんなような業界で働いていた。手に職をつけて、技術や専門知識を習得して経験を培って、そうやって仕事をしていく。私も妻も、何かしらの目標だったり憧れだったり、将来的な展望を描いてこの業界に入ってきた。

そのため、働くのは当たり前と思っていた。個人差はあるが「やりたいこと」があるからだ。もちろん嫌なことや大変なこともあるかもしれないし、逆に他でやりたいことが見つかれば無理に同じ会社に固執するつもりもないけれど、とにかく「働くこと」は普通に続けていくものだと思っていた。カッコ付けた言い方をすれば自己実現というか、人生の中に仕事を組み込んで、生きることと並走させているような感じかもしれない。お金のためももちろんあるが、それは副次的なように思う。

だからこそ、今回息子にそう言われたことで、「子供にとっての夏休み」が、なんとも薄情で申し訳ないが、あくまで「子供にとって」という意味から脱することができなくて、「パパもママも働いているからしょうがないんだ。ごめんね」と無思考に処理してしまっていたことに気づいた。

ここで「じゃあ共働きなんかしないで、仕事辞めればいいじゃん」とかいう結論を導くことは簡単だけれど、それは本質的な解ではないと思う。

なぜ働くということを突き詰めて考えると、あくまで私に限った話であるが、やはり不安だからなのだと思う。不安と戦って、勝つか負けるか分からないし勝負はもしかしたらずっとつかないかもしれないけど、とにかくこの不安と対峙するためには戦うしかないんじゃないかと、個人的にはそう思っている。

それは経済的な不安に限らない。生活をしていく上での細々した不安。将来がどうなるか分からないというような漠然とした不安。子供を育てていかないといけない状況で抱いている不安。自分が社会の中で役割を持っていたいと考える中で、それが脅かされてしまうのではないかという不安。臆病者だが、そういった不安と向き合って、その手段として自分は働いているのだと思う。

だから、本当に申し訳ないけれど、子供のために、仕事を辞めるという選択肢は無い。エゴだったり傲慢かもしれないが、私と私の家族を支え、守るためには、やはり仕事を通じてまだやらなきゃいけないことがある。そんなふうに思う。

妻とこの話をしたことは無いが、恐らく彼女も似た考えを持っている気がする。前に「もしお金がたくさんあっても、多分働くよね」ということを話したことがあるからだ。

そういったわけで、「子供の夏休み」は、もしかしたら子供自身が想像しているような、そんな楽しみに溢れたものではないかもしれない。毎日遊んで好きなことをして…といったような。もちろん、息子はまだ小2なので、もう少し大きくなれば友達と一緒に何処かに出掛けたりだとか、親戚の家に一人で遊びに行ったりだとか、色々選択肢は増えてくるかもしれない。今はまだ出来ることが少ないから、苦悩させてしまっている可能性はある。

だけれども、君にとっての夏休みが今しか無いというのも、分かる。だから、出来れば土日は夏らしいことをしようと思う。少しでも、たとえ少しでも休みを貰って、家族みんなで何処かに旅行にでも行きたい。こんな世の中だし、今またパンデミックの感染状況が思わしくなくなってきたから旅行という形式は難しい可能性はあるけれども、それでも少しでも良い形で、記憶に残るような、夏を過ごしたいと思う。

ゴミ箱に捨てる前に、もう少しだけ何とかしてみるから。今だけの夏休みというのは知っているから。だからどうか許してほしい。こんなワガママな親で申し訳ない。

そんな、涙目になりながら眠りについた息子の寝顔を見つめていると、なかなか寝ることができないで居るのだ。