あさぶろ日記

note のほうに書いている記事を保管しているだけです。

近未来を感じつつ旧友と懐古した話。

まず一つ断っておきますが、私は今酔っています。だからと言って暴言が許されると思ってはいませんが、もし口が悪ければすみません。最初に謝っておきます。

さて、今日の出来事を端的に記すと、最新技術の展示会に行った後、大学時代の友人と会ってご飯を食べた、というだけの話。それを長々と書きます。

本題

note 界隈にも参加されている方が居らっしゃるか分からないですが、本日から数日間、東京ビッグサイトで色んな技術やサービスの展示会が開催されています。

私も、出展社側ではないですが、一応似たような職種として仕事をしている関係上、そういう最新情報を収集して来いと上からのお達しがありましたので、参加してきました。普段在宅での仕事ばかりでしたので、それこそ電車に乗って都内まで出るということ自体が久方ぶりのことでございました。そうしたら、まあ人が多くて。人で埋め尽くされたプラットフォームから脱出して駅のコンコースを歩くときなぞ、まるで高速道路で合流するかの如く、人の激しい流れに従って、歩調を早く整えてその濁流に身を投じていかなければならない状況でした。それはそれは心臓ドキドキモノでした。

そうして都内に着いたらば、少し用事があったものですから、まずは会社に少し寄ることにいたしました。しかしながら、もう一年くらいは職場に訪れることもなかったので、恥ずかしながら、会社へ通じる駅の出口が分からないという失態をかましてしまいました。かましてしまいました、っつっても別に周りに知り合いは居なかったはずですので、四十間近のおっさんが一人アタフタと駅の通路を行ったり来たりしていたわけでございます。最終的にはスマートフォンという最新の文明の利器に頼り、事なきを得たわけでございます。

で、会社に着いてちょっとした作業をした後、東京ビッグサイトに向かいました。そこはもう私の知らぬ様々な最新の先端技術の倉庫でございました。少し前に新たに名刺を作り直していたおかげで、それらは様々なシーンで有効に活躍してくれました。と言っても、押しの強い営業のご担当者様に捕まった際の「それでは名刺交換でも」と先方から申し出ていただいた場面で、単に私の分身の紙切れが相手の手に滑り込むような、そんなような用途しかないわけでございます。決して自分から「恐れ入りますが、この技術のこれこれについて深く教えて頂きたいのでご連絡先を頂戴できませんでしょうか」といったような主体的な働きではないのです。

しかしながら、それと比べるとレガシーなツールで普段は仕事をしている私にとりましては、それらの先端情報たちはどれ一つとってもこの目には煌びやかに映り、むしろ眩しいくらいでした。彼らの誰もが自信に満ちて、自身の技術やサービスが世の中を大きくより良い方向に変えていくという確信と希望に溢れているように見えたものでございました。私が疲れてベンチに座り込んでいた際に、そのくたびれたおっさんの前を、出展社側の彼らは、胸に社名だかサービス名だかがプリントされたTシャツを見にまとい、颯爽と歩いて行くのが目に飛び込んでまいりました。まるで未来が服を着て歩いているかのようでした。

それに引き換え、自分のこれまでの道程やこれからの道筋を想起してしまって、私は、一体どうしてこのままで良いのだろうかと不安に駆られてしまうのでございます。とはいえ、まずは自分自身の目の前にあることに注力せねば、それら最新技術も画期的なサービスも、どのように活用するのかその見定めもできないでしょう。ですから劣等感はこの際少しばかり目を瞑るとして、まずは目の前にぶら下げられた人参やそれに似たもの目掛けて進むしかないと思うわけであります。

さて、そうして自己嫌悪やら劣等感やらそういった感情に押しつぶされそうになりながらも、適度に肩の力を抜いたり、タリーズで休憩したり、結果的に沢山のベンダから貰った資料入りのトートバッグ的なものを、家で待つ子供たちへの手土産にしようと気持ちを切り替えたりして、激動の時を過ごしたのでありました。

そうして気付けば業務終了時間になります。そこからは、束の間の自由な時間なのであります。普段家で仕事をしていると、近隣に気の置けない知り合いも居ない状況ですので、誰か他人とご飯や酒席を供にするなんて機会は全く無いわけであります。

それが今日は、自由なのです。妻からはお許しを得ました。「晩御飯は外で食べてきていいよ」と。でも、さすがに手ぶらでは申し訳ないので、子供たちへのお菓子と妻への紅茶は買っておきました。こういったところで「いつもありがとう」という気持ちを形として残したうえで伝えておかなければ「何お前だけちゃっかり遊んでんだよ」という反感を買い、家庭内で私だけ立場が悪くなるような事態になりかねないわけであります。ただ、一点心配なのは、紅茶とお菓子だけでは不足なのではないかと。「そんなものでご機嫌とったつもりになっているわけねえよな?」という反撃が来る可能性がありますが、そこはもう諦めるほかございません。

というわけで、私と同じく、上京して都内で働いている大学時代の友人に声をかけました。彼もたまたま都合が良く、じゃあ仕事終わりに飲みましょうということに相成りました。

ただ、時間までは多少あります。そのため家の冷蔵庫が古くなって使い勝手が悪くなっているのを思い出し、家電量販店に足を運ぶことにいたしました。そこで何気なく「ふーん、四人家族だと500リットルあってもいいんだなあ」なんてことを思いながら大きな四角い箱を物色しておりましたらば、「なにかお探しのものがございますか?」と爽やかな青年の販売員が声をかけてくださるではありませんか。

「いや、まだ買うと決めてないんで。見てるだけなんで」という私の言葉がまるで耳に入っていないかのように、彼の立板に水をぶっかけたような説明が次々と私の目の前に展開されていくのであります。それで時間もあったものですから彼から冷蔵庫に関する様々な最新情報やトレンド、各メーカーの強みや差別化ポイントをお聞きしました。

聞いている最中は「勉強になるなあ!」と思っておりましたが、売り場を後にした時に、自分で残したメモを見ると「冷蔵庫は10年くらいはもつ」といったような曖昧な情報と、ネットを探れば死ぬほど出てくるようなありきたりな情報しかございませんでした。そうです、なにぶん私、他人と会話するのが苦手なものでして、人知れず緊張していて頭に何も残ってなかったのでございます。ちなみに展示会でも人と話す機会を極力避け、各社のパンフレットをひたすら集めるマシーンと化しておりました。おかげでその山ほどの資料が入ったバッグを支える肩が痛いのなんの。

いくら最新情報と言ったって、扱う人間がこれじゃあね。ドンマイ。

そうこうしているうちに、友人との約束の時間になりました。話は多岐に渡り、かといって心を抉るようなものはなく、なんとも穏やかな時間が過ぎていきました。あたかも学生時代にタイムスリップしたかのような、ゆったりとした自由な空気が、少しの間流れていたのを肌で感じたわけでございました。

そうしてお開きの時間。お店の方が「すみません、うちのお店、キャッシュレス決済のみなんです」とのこと。そういえばたしかに入店するときに案内されていました。マズイな(いや、料理は美味しかったです)、と現金しか持ち合わせていない私は一瞬戸惑いましたが、友人は堂々と「あっ、PayPayでいいですか」と受け答えしてくれたのでした。

去り際、「俺、DX進んでるからさ」と彼。
かましいわ!でも払ってくれてありがとう。

結論。アナログ人間には、最新技術は疲れました、という話。終わりでーす。