あさぶろ日記

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軽はずみに職を変えようとする前によく考えた方がいい話。

「変えるなら今だ」的な、転職を促すCMを見るたびに思うことがある。「そりゃあ行動するのは自由だけど、多分もうちょっと先のことを考えてからでも遅くないのでは…」と。

自分の経験上、「今の状況嫌だな〜」くらいの温度感で転職すると、あんまり上手くいかない。幸い、自分は毎回、結果的には「転職して良かった」と思えているけれど、それは偶々だと考えている。それに、その反面「もうちょっと我慢しとけば良かった」と思うことも多々ある。

ちょっと、自分の経験を少し振り返って、「辞めようかな〜」と考えてしまうケースごとに私見を書いてみる。なお、これは、大いに自戒のため。

人間関係が嫌だから転職したいケース

例えば「人間関係が嫌だ」について。

セクハラ、パワハラ横行してて、命や身の危険がある場合は別として「なんとなく、合わない人が居る。嫌いな人が居る」くらいのレベルだと、たぶん次の転職先でも同じくらいか、それ以上に嫌いな人に出会うことはままある。必ずしも転職先の人間関係が百パー良好で、周りには善人とか気の合う人しか居ないなんてことは、きっと無い。

それならば、少し我慢できる場合は、その相手の人が異動して配置換えされるのを待つという手もある。自分の所属する組織の流動性にもよるが、たとえば上司とかであれば、数年で別の部署に異動するという会社も案外多い。

もしそれも望めなかったり、待つことすら嫌だったり、とにかく別の人と仕事をしたいのなら、社内転職つまり部署の異動による、チームメンバーのリセットという手段もある。これは全く違う業務になる可能性もあるが、基本的には人間関係が全て清算される転職と異なり、社内人脈とノウハウは引き継いで業務が出来るので経験を活かしやすい。社外で未経験業務をやろうと思うとゼロからスタートだが、この場合、上手くいけば待遇はキープしつつ新たな経験を積むことができるお得な技だ。

仕事内容が嫌だから転職したいケース

それから「仕事内容が嫌だ」について。

過労で心身ともに殺されそうなケースを除き、やっている仕事が、あまりにやりがいが無いとか程度が低いとかで「くだらないから辞めよう」と思うこともあるだろう。スキルアップが望めないとかそういうのも分かる。

だが、辞めるなら本当に全部マスターしてからの方がいいと思う。次の職場でも同じような問題は起こる。「こういう時どうしたらいいかな」とチーム内で問題提起された時、「こうするしかないっすね」と以前自分がやってたことに近い「くだらない」ことを提案しても、多分あんまり喜ばれない。

それよりも、その「くだらない」ように見えることを完全にマスターして、改善策や代替手段も、具体的に実現できそうなレベルまで想定しておいて、「私ならこんなくだらないことはこう変える」というところまでアイデアを持っていた方が、転職先で喜ばれる。恐らくそういう「極める」レベルまで達することで「スキル」として身につくのだと思う。

結構、転職してから「前職でこういうケースってどう対応してた?」と訊かれることも多くて、そういう時に「あー、たしかに以前にやった経験はあるけど、深いところまで理解してなかったなぁ。あの時もっと詳細に把握しておくべきだったな」と後悔したりする。

結局、みんな困っている箇所は似通っていて、それに対する解決策をきちんと持っている人は、案外少ない。だから逆に言うと、ビシッと武器を持って道を開ける人は、とても重宝される。

収入が低いから転職したいケース

あとは「収入が低すぎるから」について。

生活に困るくらい低いのは論外だが、「俺だったら(同世代と比べて)、もうちょっと貰ってもいいはずだよなぁ」と思って転職しようとしているなら、ちょっと待った方がいいかもしれない。

下手すると、「あなたならこのくらいの年収は出すよ」と言われて入社しても、転職先から「やっぱこいつダメじゃん」と評価されてそれ以上は上に行くのは難しいということもある。

何をもってして「自分の価値」というのが決められるのかは微妙なところだが、仮に「俺はもっと評価されるべき」とか「同じ世代では低い方だからせめて平均くらい」とかそういうフワッとした軸だけを持って転職してしまうと、ある程度は上手くいっても「じゃあ本当にあなたにそれだけの給料出す価値ある?」って場面になった時に、結構弱い。簡単にその軸はガタガタになりかねない。

また、仮に、職を変えて年収は確かに上がりました、となったとする。採用面接時に「年収は○○で」と言われたら、よっぽど悪どい会社でない限り、基本的にはその額は保証される。前職よりも○○万円も上がっていたらそれだけで満足してしまいそうだ。だが、職場での人間関係や、就業環境、福利厚生、業務内容、というのは、前職そのまま同じ条件で働くことなど、普通は出来ない。

もっと言ってしまうと、「収入アップしました」だけど「人間関係が最悪でパワハラされて精神が崩壊しました」とか「むちゃくちゃ残業させられても、固定の給与額のままで残業代出ませんでした」とか「仕事内容がレベル高すぎて全くついていけなくてお払い箱になりました」というケースだってある。

これは脅しているわけではなくて、収入という一側面だけを見て転職しようとすると、そういう危険性もあるということ。収入アップを考える前に、今の職場の「良さ」を十分理解した上で、「それらを投げ打ってでも挑戦したい」と思うならやった方がいい。少しでも後ろ髪引かれるなら、多分後で後悔するのでよく考えた方がいいと私は思う。

結論

色々書いてきたが、結局、全部リセット覚悟なら止めないが、少しでも未練があって多少我慢できるなら思いとどまるのも勇気、ということだと思う。あくまで経験上。

というのも、実は先日上司から、「来期からちょっと違う業務をやってもらいたい」という打診があって、自分の中で割とショックだった。

それは「もう要らねえよ」というものではなく(そう信じているが…)、あくまでポジティブな理由で「こういう点が良いので是非活かしてほしい」というのが背景にあるようだが、いかんせん自信が無い無い。

それに、今の業務や職場の人間関係に、居心地の良さを感じているので、新たな領域で上手くやっていけるのか心配だ。だからふと「もしそこでダメなら、転職するのも手かなぁ」なんて思いが首をもたげてしまった。

でも、上に書いたことを思い出し、まだもう少し思いとどまってみようと思った。だから自戒の念。

具体的には、来期、人間関係が悪いチームだった場合、まず我慢できるならそうしてみよう。我慢できないなら、違う部署に異動願いを出そう。業務内容がどうしても合わないなら、苦手な部分をきちんと把握してマスターしてみる。極めてみてスキル化してみよう。やっぱり、やりたい業務があるなら元の場所に戻ろう。それもダメなら、最終的に転職。

個人的には、そのくらいの「切り札」感として、転職カードを持っておこうと思う。

「辞めてよかった」と思うケースはたくさんあるだろうけど、「辞めなきゃよかった」と思うケースも、世の中には結構多いと思う。現状維持という選択肢があるなら、それは必ずしもネガティブに捉える必要は無いのではないか、と。

補足

一つ断っておくと、別に「転職しよう」と前向きに思えるなら全然いいと思う。けれど、あくまで、私の狭くて偏った経験上、軽はずみに勢いだけで環境を変えると、結構後悔することが多かったので、そこはよく考えた方が良いかも、という程度の話。

なので、特定の転職支援サービスを、否定とか批判するつもりは無いです。と言うかむしろ、いざとなったら私も利用させてもらう可能性も高いので、否定なんてとんでもない。