あさぶろ日記

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いつになったら美容院に慣れるんだろうの話。

先日、髪を切りに行ってきた。

あまりに髪がモッサリしてきて「まるでヘルメット被ってるみたいだね」と家族に言われるようになっていたからだ。私の毛質は直毛だからか、放っておくと、縦に横にと伸び放題になってしまう。それに最近は、洗髪する手間も結構かかってきていて煩わしさもあった。

じゃあ切りに行こう。とは言え、この日、街は大雪。よく行く美容院は、大型ショッピングモール内にある格安カットのお店だけれど、雪降る中を車を運転して行くのはちょっと怖い。ということで、行ったことはないが、近所の美容院で切ってもらうことにした。普段よりも1,500円くらい高い価格のお店だが、たまには良いだろう。少し期待もしてみる。担当してくれたのは、ちょっと見た目の派手な若いお兄さんだった。

初めての店は、やっぱり居心地が悪い。いや、普段行くショッピングモールの美容院も、別に居心地が良いわけではない。普段も、担当の美容師さんを指名せずにカットしてもらうので、条件はそこまで変わらないのかもしれない。

私は、極力、他人と話すのが嫌な人間なので、美容師さんに話しかけられるのも苦手だ。どんなに親しげに話しかけてきてくれても「この人は仕事だから仕方なく自分に話してくれるんだ」と思ってしまうと、申し訳なさというか居た堪れない気持ちにもなってしまう。「私と話すことでカットする時間や注意力が余計にかかるなら、いっそ黙っていよう。そうすることでカットに集中していただこう」と思ってしまう。だから私は、美容院で髪をカットしてもらっている間は、ひたすら目を瞑って「話しかけないで」の空気を演出している。

したがって、必要最低限の会話でこの場を乗り切るためには、カットに取り掛かる前にある、最初の「今日はどんな感じにします?」のオーダーを、より正確に的確に、かつ分かりやすく伝えることが最重要課題だ。これに成功することで、カットしている途中で「ここはどうします?」と聞かれなくて済むからだ。

それから、とても貧乏性な私は、せっかくお金を払って散髪してもらうのなら、ガッツリ切ってもらうようにしている。散髪代を浮かせるためだ。だが、この時期はあまり短くしてしまうと寒い。なので微妙な調節が必要だ。

そのため、今回は、まずは「ちょっとボリュームが出てきちゃって、全体的にすいてもらえますか。長さは自然な感じで切ってもらえると助かります」と言ってみた。

美容師さんは「あ、はい。えっと、結構切っちゃっていいんですかね」と言ったので、私は「あっ、いえ、あまり切っちゃうと寒いので、そんなに切らずに」と答えた。すると「はい、わかりました。じゃあ、耳は出すくらいでいいですか?あと、前髪と襟足と…」と、どんどん具体的な注文の要求が続く。

それに一つ一つ答えていき、切り始めたところで、いつものように私は目を瞑って出来上がりまで極力鏡を見ないようにする。そんなことをしていると、うとうとして眠くなったりもする。

「はい、お疲れ様でした」と美容師さんに言われて、ハッと目が覚めて鏡を見た。

すると、そこには、マッシュルームカットのような、小さめのヘルメットを被ったような髪型のおっさんが居た。

「あぁ、結構細かくリクエストしたつもりだったけど、たしかに、出来上がったイメージとか伝えてなかったな…」

美容師さんからは「どうでしょう?」と訊かれたので「あっ、良いっすね。さっぱりしました。ありがとうございました」と答えた。今更リクエストなど出すことはできない。できるだけ、切り直しはしてもらわないようにしている。美容師さんが手がけた作品にケチをつける形になってしまうのは避けたい。というか純粋に、それを伝えるだけのコミュニケーション能力が私に無い。

そこの美容院が良くないわけではない。非は自分にある。だけれど、行くのならやっぱり普段から行っている美容院のほうがいいかな、と思ってしまった。お金も格安だし。というか、いつも行くところでは、事前に「全体的に2〜3センチくらい切ってください」とか具体的に美容師さんに伝えてたな。どうして今回それを言わなかったんだろう。

帰宅して家族に見せると「さっぱりしたね」と言われたが、同時に「坊ちゃん刈りだね」とも半笑いで言われた。結局ヘルメットとそんな変わらんやんけ…。

やっぱり美容院は苦手だなと思った。伝えたいことが伝わらないのがもどかしい、難しい。思い描いた理想型に、なかなか近づくことができない。行きつけのお店と担当の美容師さんを作れば、それは上手くいくかもしれない。だけど、その反面、美容師さんと仲良くなって距離が近づくのはちょっと抵抗がある。そこはあんまり近づきたいと思わない。

そんなこんなで、いつになっても美容院に行くのが億劫で緊張してしまうおっさんなのであった。

ただ、格段に洗髪しやすくなった。素晴らしい。